家を建ててから、ずっと思ってるんです。「この家、ほんとに建ててよかったな」って。
毎日過ごしてても、ふとした瞬間に「あぁ、やっぱりこの家好きだなぁ」って感じることが多くて。
特別なことがなくても、ここにいるだけでちょっと満たされる。
今日は、そんなふうに思える理由を、いくつか書いてみようと思います。
「ただいま」と思える、帰りたくなる家に
玄関の前に立つと、まず外の照明がぱっと点く。まだ鍵も開けていないのに、もう「おかえり」と言ってくれてるような感じがして、ちょっと嬉しくなる。
そして、玄関ドアを開けた瞬間、すでに中の照明がついていて、「あれ、消し忘れた?」って思うくらい。センサーが先に感知してくれていて、暗がりを探る前にもう明るくなっているのが、地味にありがたい。

家に入ると、広めの土間玄関がふわっと広がっていて、開放感があって気持ちがいい。靴やスーツケースに掃除機、いろんな備品も収納しているけれど、すべて扉の中に収まっていて、見た目はすっきり。
ごちゃごちゃしていない玄関って、それだけで心地よくて、気分が整う。
それから、地味にお気に入りなのがドアノブ。
シンプルなんだけどちょっと洒落ていて、帰ってきたときに手に触れるその感じが、
「ここが私の家なんだな」ってしっくりくる。
郵便物は造作ポストから家の中で受け取れるようになっていて、雨の日も濡れずに済むし、
帰ってすぐに手洗いできる動線も、とても気に入っている。
こういう細かいところが積み重なって、
「やっぱりこの家に帰ってくるのが一番落ち着くな」って、毎日思ってる。
お気に入りの場所が、家のあちこちにある暮らし
この家には、好きな場所がいくつもある。
どこかひとつじゃなくて、いろんなところに“ちょっと気分がよくなるスポット”があるのが嬉しい。
まず、玄関を開けたときにふわっと広がる木の香り。
毎日ここで過ごしているのに、今でも**「あ、いい香り」**って思うことがある。
そして、玄関からちらっと見える庭の緑。木や植物が風に揺れていたり、ときどき鳥が遊びに来たりしていて、ただそれだけの光景なのに、なぜか心がふっと軽くなる。
階段を上がってリビング・ダイニングに入るときも好き。その瞬間、空間がふっと開けて、目線が抜ける。しかも、天井が傾斜になっているから、想像以上に開放感があって、毎日ここで過ごしているだけで、気持ちが整っていく感じがある。
こういう「好きなところ」が家の中にたくさんあると、なんでもない日でも満たされた気持ちになれる。そういうの、すごくいいなと思う。
家にいる時間が、いちばん心地いいと感じるように

家で過ごす時間が、前よりずっと好きになった。
外に出かけるのもいいけれど、今は「今日は家にいたいな」と思う日が増えてきた。
そんな気持ちにさせてくれる理由のひとつが、シンク横の長いカウンターにある照明。
実はここ、もともとの設計ではライトがなかった場所だった。
だから、引き渡し前のチェックのときにライトがついていて、「え?ここに?!」と戸惑った。
このカウンターにライトがあると、レンジなどを壁につけて置けなくなるし、置けたとしても場所が限られちゃう。
「変えてください」って、正直そのときはそう思っていた。
でも、いざ電球が入って、明かりを灯した瞬間──
なんと綺麗なんでしょう、って心が一気に変わった。
光が壁にふんわりと広がって、まるで花が咲いたようなやさしい明かり。
これが毎晩、キッチンの空気をやわらかくしてくれて、
ひと息つく時間に、自然とそこに視線が向く。
後から、設計の方が「もとの位置だとIHコンロの上で、熱がこもる危険があるため場所を変えた」と説明してくださって、その際、説明が事前に足りなかったことについても、きちんと丁寧に謝罪をしていただきました。
今では、むしろこのライトが、家の中でいちばん気に入っているかもしれない。
ちょっとした行き違いが、結果的にすごく満足できる形につながったというのも、家づくりならではの“いい誤算”だったなと思っている。
静けさって、住んでみてわかった本当の贅沢
これまで暮らしてきた場所のことを思い返すと、静かに暮らすって、実はとても難しいことだったんだなと思う。
以前住んでいたシェアハウスは、吹き抜け構造だったからか、階段の上り下りやドアの開け閉めの音に加えて、リビングでの話し声が上の階まで響いてくることもあって、ときどきその音で目を覚ましてしまうこともあった。もちろん、全体的にはとても快適で、素敵な思い出いっぱいの暮らしだったけれど。
その後、シェアハウスを出て、仕事の関係で住んだレオパレスの社宅では、隣のイビキが聞こえたり、エアコンの室外機の音がうるさかったりと、“騒音”が日常のストレスになっていた。 自分の声や生活音も気になって、電話ひとつとっても、気を遣いながら暮らしていた気がする。
それが今、この家では──騒音のストレスがまったくない。
鳥の声が聞こえるくらいで、音といえば強風のときの風の音くらい。でも、ここはのどかな郊外ではなく、比較的街に近い場所。けれど、静けさや落ち着きのある暮らしが、ちゃんとここにあります。
にぎやかすぎず、静かすぎず。ちょうどいい距離感のあるこの環境が、今の私にはとても合っていると感じる。
“静けさ”って、ただ音がないことじゃなくて、心が休まることなんだな。今の暮らしに身を置いて、ようやくそう思えるようになった。
この家にしてよかったと思える、心からの実感として
家を建てることって、正直、不安もたくさんありました。でも、今ここで暮らしてみて思うのは、「やっぱり建ててよかった」ということ。
暮らしてみてはじめて感じる静けさや心地よさ、小さな工夫が生む安心感。そんな日々の積み重ねが、じんわりと自分を満たしてくれています。
特別なことはなくても、ここで過ごす日々が、少しずつ大切になっていく。
そんな暮らしを、これからも続けていけたらと思っています。